Cace 7. 〜ある春の日〜 |
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つまりは、ゲレンデでの大半はこの「フリーライディング」中のライダーであると言えるでしょう。
そんなゲレンデでのランの中でも「技術系」(スキーでは確固とした体系があるし競技会もある)の滑り、つまり「JSBA公認検定」を良く受ける私などは本当の意味での「フリーライディング」をしてない時も多い。(まあ本人は少なくともそう思ってる。)
そもそも私が常宿としている黒姫高原の「ペンション くすくすっ」で、スノーボード検定パックで始まったからこの私の熱病も、この宿のせいでもあるらしい。
つまり、この検定パックは、なにもスノーボードだけではない。スキーの方ではかなりの大人数がこのパックを利用している。(スキーの検定はスノーボードと比べて、検定の回数も多い)
そして、スキー受験に疲れている人もまた多いのがこの宿の良くも悪くも「特徴」なんでは無かろうか。
- Mr. Fujita(以下 F )
- ナミちゃんさ〜、4月の第二週とかにとまりに来れない?
- わたし(以下 N)
- は〜?(なにぬかしとんじゃ?)
当然だ。黒姫のゲレンデは、3月末をもって営業を終了する。それでなくても、この段階でゲレンデのあちこちからもう「緑」が顔を出していたので、つまり、どう考えても滑れるわけがなかったからだ。
N- うーん…(どうせ、「パラグライダーを教えてやる」とか言うだろ?)
断っておきますがパラグライダーに興味がないとかではないし、むしろ機会があったらやってみたいと思っている。さらに言うならこのオーナーは、パラの世界では「ちょっとしたもの」らしい。(本人談)なんせ、長男のMr. Yasumasaは、「ごっそり」スポンサーの付いた「中学生」(1999現在)だ
F- いやさ〜妙高の上の林道から赤倉の方までなんでもない山滑ろうって話してんだけど…
- N
- ★♭※×噤堰氈吹!
根っからのフリースタイラー(※ハーフパイプとかにしか興味のない人)や、根っからのレーサーでない人でこの申し出を断る人はいるんだろうか?
ここは、シーズンが長かったり、春先にはキャンプが張られたりするのでスノーボーダーは知っていることと思う。さらに、このゲレンデをフリースタイラーの憧れにしたのは、そう「パイプドラゴン」(ぜんっぜん関係ないけど、なんか「絶叫マシン」みたいな名前に聞こえるのは私だけだろうか?)が導入されている。
今まで一度もハーフパイプに入ったことのない私は今回、くすくすっの居候のMr. K. Hiromiに教わり(と、言っても彼も「ちょっと入ったことがあるだけ」と言っていたが。)2nd シーズン終わりにして、ついにハーフパイプデビューが決まった。
一定の“R”に削りあげられ、リップまで垂直に整備されたLongパイプとは「どんなもんか」と思って楽しみにしていた。
感想は「こんなもんか」でしたね。パイプに関しては。
なお、「ちょ〜楽勝!ちょろいちょろい」って意味ではない。(当たり前か?)いや形が悪いのよ思ったより。(そういう意味でした…) まあいかに「豪雪」のARAIでももう新雪の望めないこの時期にはあんまり整備できないらしい。特に西日の当たる方のウォールは開いてしまって途中で飛び出してハイクアップしてる人に恐い思いをさせてしまった。(すいませんでした。& こういう人も少しはいるので、みなさんもハイクアップの際は一歩離れて。あとだんだん疲れてくると登りの道中足下しか見なくなるのでなるべくパイプの方も気にかけるようにしましょう。)
パイプはそんな状況でもゲレンデ自体は変化があって楽しかった!コースらしく無いというかなんというか、ゲレンデ内に自然のダウン系のアプローチがあったり、「おい!誰か進入禁止のロープはずしちゃっただろ!!」と思うような木々が立ち並ぶところを滑って良かったりして。
さらにこの日はスキーチームと「ごちゃ」だったので気づいたことがあった。このARAIコースの狭い、バイパス状のゲレンデがかなりある。そういう場所は心当たりがあると思うが「スキーヤー向け」だったりすることが一般に多いと思ったことはないだろうか?つまり、斜度0(ひどい時ゃ上ってるときあるよな)が「勢い」で交わせないぐらいあるゲレンデで、涙をのんでバインディングをはずしたことはないだろうか?
ここではそれがなかった。まあ、逆に言えば細く蛇行しているような場所が何カ所かあるのに、ある程度の斜度があるという事は、かなりビギナーにはつらいのかもしれない。
幸い彼女は(それでも15m ぐらい落ちて)岩にはぶつかることなくウェアをちょっと「大地」の色にしただけで済んだ。本当にラッキーだった。
じつはその時は「笑い事」にしてしまったのだが、春に関わらずすごく危ない事だ。気をつけなくてはいけない。岩岳でやはりコースアウトした人を見たが、その人はけがをしていたみたいだ。
私は基本的に「無理をする」タイプの人間だ。本当に自分の安全だけではなくって、ゲレンデにいる人間全部の安全に気を配らなければいけないと思う(それとゲレンデという自然環境のも絶対に「危険」なめにさらしてはいけない。出来ればレストハウス以外では「完全に禁煙」にしてもらいたいものだが、吸いたい人はいるだろうので、吸いがらは勿論、灰も落とさないでほしい。これは、1個人としてここに来てくれたすべての喫煙者にお願いをします。)
なお、彼女の名誉のために彼女が無謀な滑りをしていたわけではなく、不幸な事故であったことを書いておく。
その日の帰り、みんなで温泉。アライから、関、赤倉、妙高にかけては温泉が点在している。僕は実際に運転をしていたわけではないので『何処』か分からないので情報としては不十分で申し訳ないのですが、「かんぽ」の温泉等は¥500で日帰り利用の湯があるので利用してみてはどうだろうか。車で行く人に「湯上がり一杯」とは言えないが、疲れたからだには格別でした。
この「あっちこっち」ツアー2日目はほぼ全員の二日酔いの中始まった。(危険ですのでまねしないように。)今日はちょっと足をのばして焼額まで。
せっかく今年(1998)、長野にいるんだから、
「オリンピックの舞台を見ないわけには行かないでしょう!!」
まあ翌年(1999)誘致の問題等で「けち」が付こうがなんだろうが、まあ何はともあれ冬季オリンピックが開催されて、GSの会場になった山。志賀高原の中でわずかにスノーボーダーに解放されているゲレンデ、焼額。
しかも、大手リゾート資本のPrince系列の むだに おしゃれなゲレンデ、焼額。
標高1,900mをほこり、雪には定評がある山、焼額。私たちの期待は膨らむばかりだった。
しかし!!甘かった。と、いうかまあ当然予想された結果だが、この年の雪不足は、ここまでおよんでいた。
昨年も、勿論一昨年も、4月にスノーボードなどしたことがない。「こんなもんか」と思えばそう言え無くもないのだろうけど期待が大きすぎた。駐車場から見上げたゲレンデの中腹のGSのコースはもう土が見えて滑走禁止だという。
「まあ、何はともあれ滑るか。」気を取り直してゴンドラへ。
この日の焼額は穏やかな風の吹く爽やかな陽気。私は比較的寒さに強いので1〜2月の「パキーン」と冷えた空気も嫌いじゃないけど、この日の天気は本当に心地よい。まさに「春」。
雪はすでに「つぶつぶ」だし、ちょっと急な斜面は「ぼこぼこ」。でもスキーチームとフリーランして気づいたのはかなり楽しいゲレンデだということ。
リフトの乗り継ぎもほとんど問題なかったし、山頂から左へ左へ降りていくと「ひゅっ」と落ち込むところがあったり、なかなか変化の楽しめるゲレンデであった。(ちなみに、1999年から毎日、全ゲレンデスノーボーダーに解放されたそうだ。)
しかし、それにしても少しばかり暖かすぎた。いや暑かった。運動すると汗だくになってしまったし、UVの塗り残しのあった首筋は真っ赤に やけど 日焼けしてしまった。(一応、長袖だけは着てた。何度脱ごうかとも思ったけど安全のために…。)
一日滑って、帰りは志賀の山の麓の温泉。ここも町営?らしく安かった。(例によって詳しくは覚えていないが。)
夕日を眺めながらシーズンの終わりを感じつつ、みんなと過ごした2日間が過ぎていった。